君と僕の特別な日。
recoさんの企画作品 特別な日をしょーり君と
・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・
僕の片想いの相手。○○ちゃん。
君はいつも嬉しそうに隣の席の男子と話す。
しかもそいつ、僕の幼馴染み。
頬を赤く染めながら。そんな姿を見たら、
僕には脈がないってすぐ分かる。
「岸くん何言ってるのー笑」
【えー。○○なら分かってくれると思ったのにな】
「わかんないって!」
遠目からボーッと眺めていると、二人の距離が少し近づいて、また笑いあってる。
『嫌いになれたらな、、』
頬杖をつきながら、呟く。
[勝利どうしたー。]
『あ、聡くん。』
[勝利、○○さんの事好きなの?]
『はっ?へ??違うよ、好きなわけないでしょ。』
[じゃー、岸くん?笑]
『それはそれで変でしょ、もう。』
[いつも昼休み眺めてるもん。]
『…そーかな。』
[え??もしかしてビンゴ?勝利、好きな人いるの?!]
大声で聡が言うから、みんなの視線が僕に集まる。
君の方を見るとパチッと目が合う。
それと同時に君の表情が曇った。
僕単純だから、そんな顔されたら期待しちゃうけどいいかな。
隣の席の岸くん。
私の片想いの相手 勝利くんの幼馴染み。
そんなことを知ったのは最近だけど。
鋭い岸くんには、私が彼に恋してることがバレた。
休み時間になれば、勝利くんの話をしてくれて、
ハロウィンとかクリスマスとかイベント事があれば、彼の好みを教えてくれたり。
【○○、どうしたー?】
ある日、私が見たくないものを見て落ち込んで
机に伏せてたら声をかけてくれる岸くん。
私の机の前にしゃがむ。
「勝利くんが、学年一可愛い子と話してるの見ちゃった。勝利くん、すごい幸せそうに笑ってた。」
【だから元気ないのな。ちょっと待ってね】
立ち上がってどこかに行った岸くん。
「実らないよね、、はぁ、」
外を眺めつつ、机に伏せて独り言。
『何が実らないの?』
上から降ってきた声は岸くんとは違った。
聞こえたのは私の好きな人の声。
「…勝利くん。」
慌てて体を起こして、前髪を整える。
『ふふ。ごめんね、急に話しかけて。』
「いや、こちらこそこんな、姿勢で…」
前の席の椅子に後ろ向きで座った勝利くん。
緊張してる自分がいるのは確かだ。
席に座ってたら、急に岸に声をかけられた。
【勝利、俺今からさ違う用事あるんだけど、○○がなんか落ち込んでるからさ、俺の代わりに話聞いてやって、、じゃ!】
僕の肩を叩いて、去っていく。
『岸、今の僕にそれさせるかな。』
岸と楽しく話してる君に話しかけて、相談にのってだなんて。
近づいて声をかけようとすればボソッと呟いた
「実らないよね、」
の一言。
『何が実らないの?』
とっさにかけた言葉。慌てて前髪を直す君。
話しかけることが出来たなら、距離を縮められるかもしれない。
そう思って、席に座った。
『○○ちゃん、何が実らないの…?僕でよければ、話聞くよ?』
「うーんと、簡単にいえば恋。好きな人に振り向いて貰うのは難しいなぁって。」
『○○ちゃん、好きな人いるの?』
「…いる。」
その答えを聞いて、心が折れそうになる。
『そっか、○○ちゃん可愛いから、振り向いてもらえそうだけど。』
「今日ね、好きな人がさ、女の子と幸せそうに笑いながら歩いてて、それを見ちゃったんだよね。」
『…僕も、それ見たら辛いかも、』
「勝利くん。好きな人いるんだっけ…」
好きな人にそんなことを言われて、少し心が痛む。
『うん。』
「私でよければ話は聞くから。」
ほら、また昨日みたいに寂しそうな顔。
『あ、あのさ!今日、一緒に帰らない?』
「え??うん」
勢いで、言ってしまった言葉。けど、伝えるしかない。君が他の誰かのものになるなんて、嫌だ。
伝えるだけ、それで振られたら最後。
タイミングよくなるチャイム、自分の席に戻って、
放課後が楽しみすぎて、あっという間に放課後。
『○○ちゃん、帰ろう?』
「うん、」
少し離れ一定の距離を保って歩く。
『○○ちゃんはさ、いつからその人に恋してるの?』
「んー。クラス替えして少したったくらい。」
『ってことは、同じクラスなんだ。』
「そう、だね。」
歯切れの悪い返事、ますます期待しそうになる。
「しょ、勝利くんは?」
『僕??』
「そう。」
『僕はね、夏前くらいかな。』
「へー、どんな子なの?」
『控えめな子なんだけど、品があって、deも、どこか危なかっしくて守りたくなっちゃう子』
「ふふ、そんなに好きなんだね。勝利くんが好きになるんだからとっても可愛い子だね。」
『○○ちゃんの好きな人どんな人?』
「かっこよくて、周りを見てて、笑顔が素敵な人。」
君から聞いた好きな人は僕とはほど遠い。
もしかして、聡くん?
『実るといいね』
「それはお互い様だよ。」
冷えた手に、はぁっと息をかけて寒そうにする君。
その手を取って、繋ぐ。強引すぎたかな。。
「勝利くん??」
『寒そうだったから』
「女の子にそんなことされたら勘違いしちゃうよ?」
『○○ちゃんは、しますか?』
「少しはね、、笑」
『○○ちゃんにしか、しないよ。』
僕の言葉に驚いて立ち止まった君。
あーー、もう今しかない…
『僕、○○ちゃんの事が好き。』
「え?」
『だから、僕のものになってくれませんか?』
赤く染まった空、ある路地の真ん中で、告白した
「私も、勝利くんが好きです。お願いします。」
ペコッと頭を下げる彼女。
目が合えば微笑みあって、ポケットに入ってる繋がれた手に力が込められた。
今日は、君と僕が付き合い始めた特別な日。