君と僕の特別な日。

recoさんの企画作品 特別な日をしょーり君と

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僕の片想いの相手。○○ちゃん。
君はいつも嬉しそうに隣の席の男子と話す。
しかもそいつ、僕の幼馴染み。
頬を赤く染めながら。そんな姿を見たら、
僕には脈がないってすぐ分かる。

「岸くん何言ってるのー笑」

【えー。○○なら分かってくれると思ったのにな】

「わかんないって!」
遠目からボーッと眺めていると、二人の距離が少し近づいて、また笑いあってる。

『嫌いになれたらな、、』
頬杖をつきながら、呟く。

[勝利どうしたー。]

『あ、聡くん。』

[勝利、○○さんの事好きなの?]

『はっ?へ??違うよ、好きなわけないでしょ。』

[じゃー、岸くん?笑]

『それはそれで変でしょ、もう。』

[いつも昼休み眺めてるもん。]

『…そーかな。』

[え??もしかしてビンゴ?勝利、好きな人いるの?!]
大声で聡が言うから、みんなの視線が僕に集まる。

君の方を見るとパチッと目が合う。
それと同時に君の表情が曇った。

僕単純だから、そんな顔されたら期待しちゃうけどいいかな。



隣の席の岸くん。
私の片想いの相手 勝利くんの幼馴染み。
そんなことを知ったのは最近だけど。
鋭い岸くんには、私が彼に恋してることがバレた。

休み時間になれば、勝利くんの話をしてくれて、
ハロウィンとかクリスマスとかイベント事があれば、彼の好みを教えてくれたり。

【○○、どうしたー?】
ある日、私が見たくないものを見て落ち込んで
机に伏せてたら声をかけてくれる岸くん。
私の机の前にしゃがむ。

「勝利くんが、学年一可愛い子と話してるの見ちゃった。勝利くん、すごい幸せそうに笑ってた。」

【だから元気ないのな。ちょっと待ってね】
立ち上がってどこかに行った岸くん。

「実らないよね、、はぁ、」
外を眺めつつ、机に伏せて独り言。

『何が実らないの?』
上から降ってきた声は岸くんとは違った。
聞こえたのは私の好きな人の声。

「…勝利くん。」
慌てて体を起こして、前髪を整える。

『ふふ。ごめんね、急に話しかけて。』

「いや、こちらこそこんな、姿勢で…」
前の席の椅子に後ろ向きで座った勝利くん。
緊張してる自分がいるのは確かだ。



席に座ってたら、急に岸に声をかけられた。

【勝利、俺今からさ違う用事あるんだけど、○○がなんか落ち込んでるからさ、俺の代わりに話聞いてやって、、じゃ!】
僕の肩を叩いて、去っていく。

『岸、今の僕にそれさせるかな。』
岸と楽しく話してる君に話しかけて、相談にのってだなんて。

近づいて声をかけようとすればボソッと呟いた
「実らないよね、」
の一言。

『何が実らないの?』
とっさにかけた言葉。慌てて前髪を直す君。
話しかけることが出来たなら、距離を縮められるかもしれない。
そう思って、席に座った。

『○○ちゃん、何が実らないの…?僕でよければ、話聞くよ?』

「うーんと、簡単にいえば恋。好きな人に振り向いて貰うのは難しいなぁって。」

『○○ちゃん、好きな人いるの?』

「…いる。」
その答えを聞いて、心が折れそうになる。

『そっか、○○ちゃん可愛いから、振り向いてもらえそうだけど。』

「今日ね、好きな人がさ、女の子と幸せそうに笑いながら歩いてて、それを見ちゃったんだよね。」

『…僕も、それ見たら辛いかも、』

「勝利くん。好きな人いるんだっけ…」
好きな人にそんなことを言われて、少し心が痛む。

『うん。』

「私でよければ話は聞くから。」
ほら、また昨日みたいに寂しそうな顔。

『あ、あのさ!今日、一緒に帰らない?』

「え??うん」
勢いで、言ってしまった言葉。けど、伝えるしかない。君が他の誰かのものになるなんて、嫌だ。

伝えるだけ、それで振られたら最後。
タイミングよくなるチャイム、自分の席に戻って、
放課後が楽しみすぎて、あっという間に放課後。

『○○ちゃん、帰ろう?』

「うん、」

少し離れ一定の距離を保って歩く。
『○○ちゃんはさ、いつからその人に恋してるの?』

「んー。クラス替えして少したったくらい。」

『ってことは、同じクラスなんだ。』

「そう、だね。」
歯切れの悪い返事、ますます期待しそうになる。

「しょ、勝利くんは?」

『僕??』

「そう。」

『僕はね、夏前くらいかな。』

「へー、どんな子なの?」

『控えめな子なんだけど、品があって、deも、どこか危なかっしくて守りたくなっちゃう子』

「ふふ、そんなに好きなんだね。勝利くんが好きになるんだからとっても可愛い子だね。」

『○○ちゃんの好きな人どんな人?』

「かっこよくて、周りを見てて、笑顔が素敵な人。」
君から聞いた好きな人は僕とはほど遠い。
もしかして、聡くん?

『実るといいね』

「それはお互い様だよ。」
冷えた手に、はぁっと息をかけて寒そうにする君。
その手を取って、繋ぐ。強引すぎたかな。。

「勝利くん??」

『寒そうだったから』

「女の子にそんなことされたら勘違いしちゃうよ?」

『○○ちゃんは、しますか?』

「少しはね、、笑」

『○○ちゃんにしか、しないよ。』
僕の言葉に驚いて立ち止まった君。
あーー、もう今しかない…

『僕、○○ちゃんの事が好き。』

「え?」

『だから、僕のものになってくれませんか?』
赤く染まった空、ある路地の真ん中で、告白した

「私も、勝利くんが好きです。お願いします。」
ペコッと頭を下げる彼女。

目が合えば微笑みあって、ポケットに入ってる繋がれた手に力が込められた。


今日は、君と僕が付き合い始めた特別な日。