愛の色とペース-倦怠期-
【企画作品】倦怠期を迎えるしょーり君。
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付き合って3ヶ月。
初めの頃は周りが羨むくらいラブラブ。
それぞれ家はあるのに、帰る場所はどっちかの家。
帰ったら、二人でご飯食べて、テレビみたり。
そんなときに、突然伝えられる
『好き』
ふふ、って笑った後、○○ は??だなんて。
毎日好き。大好き。って伝えあっていたあの日々。
そんな日々は遠い昔のように思える。
彼から好きと伝えられたのはいつが最後なのかな。
話していても、楽しくない。
一緒にいても別々の時間が流れる。
あれだけ甘かった彼がここまで冷たくなると、やっぱり寂しい。好きの一方通行なんじゃないかって。
「しょうり」
『んー?』
「いや、何もない。」
『ああ、そっか。』
「私先に寝るね。」
彼の家に帰るのは、何度目だろうか。
もう義務になっているのかもしれない。
『はーい。おやすみ』
私の方なんて見ずに返事をする。
次の日の朝、特に会話することもなくお昼間になった。
このまんまじゃ、もう終わってしまうような気がした。
気がついたら、彼の方をじっと見つめていたらしいくて、声をかけられる。
『ねぇ、なんでそんなに見てんの?』
「あっ、え??見てた??いや、何もない。」
『嘘。何かあるんでしょ?』
「何もないよ、」
『○○ は、いつもそうだね。俺に言ってくれない。言ってくんなきゃ分かんないよ。』
「ごめんなさい」
『謝るってことは何かあるの?』
「ない、です。」
『そっか。でも、俺がある。』
彼から告げられるのはきっと別れ話だろう。
嫌な予感しかしない。ぎゅっと目を瞑った。
『○○ 。』
彼の香りに包まれ、耳元で名前を呼ばれる。
「へ、、しょうり?」
『○○ 、不安だったんでしょ?』
「ちがうくないです。」
『やっぱり。好きって毎日伝えあってたのに、気がついたら回数が減ってったね。』
「勝利に、嫌われたのかなって思った。一緒にいてもそれぞれで…楽しくなかった。」
『うん。』
少しずつ抱き締める腕に力が入っていく。
「それで、私だけが好きなのかなって。」
『うんうん。』
「けど、性格上構ってなんて素直に言えないし、」
『ふふ、そうだね。』
「そんなこと考えたら、勝利には他の子がふさわしいって思えてきちゃった。」
『俺も不安だったよ。』
顔を上げれば、至近距離に彼の顔があってコツンっとおでこをくっつけられる。
『こんなに好きって伝えた分、束縛になってないかなとか。たまに○○ の知らない顔が見えるときがあってさ、まだ全てを知れてないのかって。』
「そんな顔してた、、?」
『恋愛上手じゃないし、何なら下手。ここまで好きになったのも○○ が初めて。伝えたら安心できるものでもなかった。』
「うん。」
『俺は、他の子になんか興味ないよ。○○ のことが大好き。愛してる。○○ は、俺のこと嫌いになっちゃった?』
キュヒっと笑うと、頭を撫でながら聞かれる。
「…嫌い。」
『そっか、、』
「嘘、大好き。」
彼に抱きつくと、うわっ、バランスを崩すも抱き止めてくれた。
『俺は、もーーっと好き。』
ちょっと待ってて、だなんて言って立ち上がり何処かに行ってしまう。
『はい、お待たせ。寂しがり屋で素直じゃないかわいい俺の○○ ちゃんにプレゼント。』
開けてみれば、私がほしいなって言ったことのあるブレスレット。そのブレスレットは、ペアのもの。
「え??」
『ふふ、気がついてないか~笑 今日、3ヶ月記念日。』
カレンダーを見れば、勝利の字で書かれている。
「あ、ほんとだ。」
『バカ、忘れんなよ。なんてね、3ヶ月祝えてよかった。』
「ねぇ、勝利。」
『ん??』
「ここ数週間、スマホみてニヤけてたり、真剣な顔してたったのって…」
『ふは。さーどうでしょう。』
「勝利。ありがとう。本当にありがとう。」
いつもなら恥ずかしくて出来ないけど、今日は特別。私から頬にキスをした。
『ふふ、かわいい。』
一言呟いて、私にとびっきり甘いキスを落とす彼。
『これからもっと愛すから。俺らは俺ららしくさ、ずっとそばにいて。』
「もちろん。」
その日、仲良くベッドに入り、何日ぶりに彼の体温で眠った。
次の日、自然と目が覚めると、腰に回された腕に気がつく。
「朝までこのままって、んふふ。」
その腕に手を添えて、小さく微笑んだ私。
『○○ 、、んー、』
「ん??」
『…好きだよ。』
彼の言葉に反応して見てみるも口をむにゃむにゃさせてまた眠った。
「寝言?ふふ、かわいい。私も好き、」
周りが倦怠期があるからなきゃダメとか、
好きは言い過ぎちゃダメとか。
そんなこと気にしなくても、私と勝利。
二人だけの愛の形でもいいんだ。