テストの憂鬱 #2

テスト勉強としょーり君。Part2

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あれから勝利くんと放課後に勉強するようになった。そして、今はテスト週間真っ只中。
午前しかないけど、お昼ご飯を持って来て、教室でしている。

終礼を終え、人が減っていき気がつけば二人きり。
『○○ ー。今日も一緒にいい?』

「嫌だって言っても、残る予定でしょ?」

『バレてたかぁ。お昼食べたら始めよう。』
鞄からお弁当箱を取り出す彼は、帰るつもりなんて無かったんだと思った。
テスト期間にうっすらと気がついたこと、もしかして彼に恋をしてるかもしれないって。
彼と目が合うだけで胸がキューってなる。

『ボーッとしてるけど大丈夫?』
私の隣の席に座って、モグモグしながら聞かれる。

「ん?大丈夫だよ。勝利くん詰め込みすぎ、、」

『そぉかなぁ、』
ちゃちゃっとお昼ご飯を済ませた。

『よし、今日も頑張ろーっ!』
伸びをしながら言った後、テキストを開く。

「はぁぁ。」

『ん??今日のテスト?』

「うーん、あんなにやったのに、点数取れてるか不安。空欄は作らなかったけど。」

『じゃー、俺が勝っちゃうな笑』
キュヒっと笑って、少しドヤ顔をする。

「まだ、わからないじゃん。さっ、始めよっと。」

『だね、、ねぇ、○○ 。これわかんない。』
見せられたノートには、

"○○ ちゃんに好きな人がいるかどうか"

と、彼の字で書かれていた。
彼の方を見れば、目が合う。答えられるはずもなくて、そもそもこの思いが恋なのかすらわからない。

「…ごめん。私もわからない。」

『そっか、、』
彼は、スッと前を向いて、机に向かう。
集中したいのに、出来ない。目の前にある問題は、何度も解いてるから出来るはずなのにわからない。

『○○ さっきから手、止まってるよ?』

「あっ。うん。ちょっと集中できなくて…」

『息抜きに、校内ブラブラする?笑』

「んーん、」
ぱちんと頬を叩いて、シャーペンを走らせた。
気がつけば二時間過ぎていた。
隣にいる勝利くんは机に伏せて寝ていて、やっぱり好きなのかもしれないと思いが溢れる。

「好きな人、、」
目にかかる前髪に触れようとすると、んーっと言いながら動く。伸ばした手を引っ込めた。

「綺麗な顔してるなぁ、寝顔もかっこいい。」
小さく呟けば、目を開けて微笑む勝利くん。

『ふふ、そんな風に思ってたんだ。』

「誰でも思うって、、」

『そう??ってか、知らぬ間に寝てた。○○ は進んだ?』

「うん!時計も見ずにずっとしてたよ。」

『後ちょっと頑張りますか~』

「だね!頑張ろ。、勝利くんに負けたくないからね。」
暗くなるまで、休憩を挟みつつ、少しだけ邪魔してみたりして今日も勝利くんと勉強をした。

あの日以来、一緒に帰ることも普通になった。
それと同時に、このテスト期間が終わればただのクラスメイトに戻ってしまうんじゃないかって、寂しくなる。
そう思ったら、手が勝手に動いた。

『ん??どうしたの、』
前を歩く彼のブレザーの裾を引っ張っていた。

「あっ、ちがっ、ごめん。」
パッと離して、何もなかったかのように話を始める。

『ねぇ、そゆことされると、期待しちゃうんだけど、、』

「ほんとにごめんなさい。迷惑だよね。」
そう言い捨てて走って帰った。後ろで名前を呼ぶ声もしたけど、振り返る勇気はない。

勝利くんが声を掛けてくれて始まったこの勉強会。
自分のせいでまた、テストは憂鬱。
きっと、あの賭け事だって無くなるんだろうなぁって、思いつつも明日のテストはやって来る。家に帰って少しだけ復習して、テストに挑んだ。


その日のテストを終え、お弁当を食べようとすると、ガタッと椅子が引かれる音がした。
「へ、勝利くん?」

『賭け事、無しになったと思った?』

「うん。」

『無効になるわけないでしょ。ほら、今日も頑張ろう。』

私の頭をポンポンとした勝利くん。
一気に上がる体温とキュンと高鳴った胸の音。
この思いが、彼に対する恋心だって確信に変わった。

勝ったら頼むこと…それは私にとって大きな一歩になるかもしれないことに決まった。