チャンスは突然 #3
クリスマスデートと先輩しょーり君
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≪Christmas story≫
大好きな先輩と付き合うことになり迎えたクリスマス。
手帳を見れば、24日.25日共にバイトで。
それもそのはず、こうなると予想してなかったから。
『○○ ちゃん。クリスマスさデートしよ?』
そう誘ってくれたのに、断るはめになった。
「勝利先輩。バイトです。。」
『そっか、、じゃー、次の休み。デートしよ?』
「もちろんです!」
そんな今日は2日遅れのクリスマスデート。
待ち合わせ場所にいけば、通りすがる女の子達の目を集める先輩。
駆け寄れば、私に気がついて微笑む。
『○○ ちゃん。』
「勝利先輩。待たせてしまってすみません。」
『ん??待ってないよ?行こっか。』
私の手を取れば、指を絡められる。
「手、冷たすぎません?」
『○○ ちゃんは、暖かいね。』
「そーですかね?今日って、、」
『今日はね、、まぁ、俺について来て?』
頭の中ははてなで一杯だけど、
初めに連れてきてくれたのは、インスタグラムで話題になってたパンケーキ屋さん。
『ここ、気になってたでしょ?』
「は、はいっ。」
そう、ここのパンケーキ屋さん。フィルムで囲われてて取るときに生クリームがふわってなるお店。
少し早めに来たからか待ち時間もそんなにない。
『ここパフェもあるじゃん、』
「私は、これにします。」
『俺、このパフェ。』
頼んだパンケーキとパフェ。
店員さんに頼んでフィルムを取って貰う。
その様子を私はスマホに納める。
「勝利先輩!!見ました?!」
『ん??見てたよ?○○ ちゃんがはしゃいでるの。』
「そうじゃなくて!!って、え?」
『よーし、食べよっと。一口いる?』
彼の手によって掬われたソフトクリーム。
そのまま差し出されたスプーン。
『ほら、あーんは?』
目が合えば、ニコッと笑われる
『溶けちゃうよ??』
「勝利先輩っ、ここ外です。」
『なに?俺の家ならあーんも素直にしてくれるの?』
きっと睨めば、はいはい。だなんて適当に返事をされる。
『…あまっ。』
私の口に入るはずだったソフトクリームは、彼の口に含まれた。
「甘いの苦手ですか?…美味しいっ。」
質問しながら、パンケーキを切り分ける。
一口食べれば、ほどよい甘さの生クリーム。ふわふわのパンケーキ。
『美味しい??俺も一口欲しいな。』
お皿ごと差し出す。
『あーん、してくれないの?俺はして欲しいな?』
目を潤ませて頼む姿が可愛く見えた。
「…恥ずかしいです。」
私のフォークを持つ手を取って、そのまま口元に持っていく彼。驚いている間に、フォークに刺さってるケーキはなくなっていた。
『ふふ、うまっ。』
幸せそうに笑うのを見て自然と頬が緩んだ。
「勝利先輩!私にも一口くださいっ。」
そう言えば、またスプーンで掬ってくれる。
ぱくっと食べれば、少し上がっていた体温が下がる。
「これも美味しいです。」
そのあと、二人でお喋りしながら食べればお腹一杯になった。
「あと一口なのに…食べられないです。」
『俺が食べるよ?笑』
お皿の上に残された一口をペロッと食べた彼。
少し休んで会計にいく。
お財布を取り出す前に、支払いを済ませる先輩。
「ちょ、先輩?」
『ん?美味しかった?』
「美味しかったですけど。」
『なら、いいよ?俺は○○ ちゃんの幸せそうな顔が見れたから。』
店から出れば自然と繋がれる手。
前を歩いて私を引っ張ってくれる彼の背中。
とっても大きくて、かっこいい。
そのあと、ぶらぶらと目に留まったお店に入ったりして気がつけば暗くなっていた。
『イルミネーション…行こっか、、』
ずっと繋がれていた手。ずっと見ていた背中。
くるっと振り返れば言われる。
「はいっ、」
街の少しだけ点灯してる電飾。
キラキラしていて、とても綺麗。
有名な場所だとか関係なくて、好きな人が隣に居るだけで、こんなにも輝いて見える。
「綺麗…」
『そーだね。ねぇ、○○ ちゃん、』
道の真ん中、突然立ち止まり名前を呼ばれる。
『今日、俺のために可愛くしてきてくれたの?』
「…そうです。」
『可愛い…好きだよ。○○ 。』
不意に呼び捨てをされて、一気に頬に熱をもつ。
『真っ赤じゃん。寒い??』
頬に手を添えられて、包まれる。少し冷たい手は心地よかった。
「私も、好きです。」
そんなことを呟いていた。
『…今のはずるいなぁー。』
チュッと音を立てて落とされたキス。
「勝利せんぱ『いいよ、勝利で』
「むりですっ、、」
『ふふ。いつかは呼び捨てで呼んでね?あと敬語も取ってね。』
頭をポンポンとされ、また繋がれた手はそのまま、コートのポケットに入れられた。
『帰ろっか。寒くなってきたし。』
まだ帰りたくない、そう思った私は彼の手をぎゅっと握った。
「勝利くん。」
『…ん??』
「遅めのメリークリスマス。大好きです。ずっと」
私から少し背伸びをしてキスをした。
『ば、ばかっ。帰したくなくなるからやめてよ。かわいいサンタさん?メリークリスマス。』
ふわっと彼の体温に包まれ、耳朶にキスをされた。
遅めのクリスマスデートも悪くないかな。
「勝利くん。来年もよろしくお願いしますっ。」
『こちらこそ。』
勝利くんが、私が動画を撮って楽しんでるところをSNSに"彼女がはしゃいでる 可愛い"だなんてコメントと共に投稿してることに気がつくまで、あと少し。