チャンスは突然 #2

一緒に授業抜けた先輩しょーり君

・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:**・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・


先輩の言葉に頷いた私。
すると、勝利先輩は驚いた顔をしたあとすぐ私の荷物を持って席をたった。

『行こ?』
私たちの席は、幸いにも後ろの方。なおかつ、講義を受けてる人は沢山居るから二人が抜けたとしてもバレることはなかった。

すたすたと歩く勝利先輩に着いていくのがやっと。
教室のある館を出ても、手は繋がれている。

「勝利先輩っ、、」

『ん??…っ、あー。ごめん、』
無意識的に繋がれた手を見てたみたいでパッと離されると少し寂しくなった。

『はい。○○ ちゃんの鞄。』

「あ、すみません。持たせてしまって。」

『ん??いいんだよ。帰っちゃう?って聞いたの俺だし。』

「でも、頷いたの私ですし」

『俺が○○ ちゃんとどこかに行きたかった。それじゃだめ、、?』
首を傾げて言う先輩は可愛い。

『可愛くないから。』

「えっ?」

『可愛いって言ったから。』
自然と言っていたらしく、慌てる。
そんな私を見てクスクスと口許に手を持っていって笑う先輩。

「そんなに、笑わないで下さい!!~~っ!」

『慌ててる○○ ちゃんが、面白くて。笑』

「…」

『可愛いのは○○ ちゃんだから。』
スッと私に近づくと耳元で囁いた。
きっと私の顔はゆでダコみたいに真っ赤なんだろう。

「~っ。勝利先輩は、どっちもですね。」

『んー。それも微妙だけど可愛いだけじゃないならいいや。ふふ、照れてる。やっぱり、可愛いんだから。そろそろ、大学出よう?』

「は、はいっ、」

『どこ行く?この後、授業ある?』

「無いです。勝利先輩は、あるんじゃないですか?」

『なんで?』

「さっき、空きコマだからって言ってたので。」

『あーー。笑どうしよっかなぁ。お昼も食べたあとだし。、』
そう聞いたのに、上手くはぐらかされた。

「そうなんですよね。笑」

『あっ!確か俺と同じ方面の電車だよね?途中駅にさ、水族館あるじゃん。』

「同じですね。」

『よし、水族館行こ。平日のお昼だから、空いてそうー。』

「行ってみたかったので嬉しいです!!」

『ほんと??よかった。』
二人で駅まで歩いて、電車に乗りこむ。
お昼間にも関わらず、案外人が多い。

「きゃっ、」
電車の揺れでバランスを崩した私を先輩が支えてくれた。

『大丈夫?また、バランス崩しそうだからこうしておくね。』
片手はつり革を持って、空いた手で私の事を抱き寄せる。
想像よりも身長が高くて、細いのにしっかり押さえる先輩は男の人なんだって、、
ドキドキしていることがバレちゃいそう。

『○○ ちゃんって、こんな小さかった?』

「ストレートに言いすぎです。そんな先輩は身長あるんですね。」

『小さいと思われてたの?笑 さすがに○○ ちゃん守れるぐらいの身長と力はあるからね?』
先輩をからかうなって、デコピンをされる。
水族館のある駅につけば、また、手を引かれる。

『迷子になったら嫌だから。』

「だから!そんな小さい子じゃないです!」

『俺から見たら危なっかしくて、小さい子なんだけど?』
小さい子かぁ。やっぱり恋愛対象外か。、

駅から近いこの水族館。すぐに到着して、チケットを購入する。
『大学生二枚で。』

「勝利先輩?自分のは自分で払います。」

『いいって。カッコつけさせてよ~』
ニコッと笑って、支払う先輩。

【大学生、二枚ですね。】
二枚のチケットが渡されれば、入り口へ。

「ありがとうございます。」

『ふふ、○○ ちゃんと出掛けられてるからね。』

「先輩って…ですね。」
小さくいった言葉は聞こえてなかったみたいで安心した。

水族館特有の雰囲気。周りから見ればカップルに見えるのかな。クラゲやペンギン。色とりどりの魚。
電車を降りたときに繋がれた手は未だ離れていない。

「勝利先輩!!ニモ!あっ、ドリーだ!」

『ふふ、ほんとだ。』
私がしゃがめば、先輩も隣にしゃがむ。

「ねぇ、先輩。この子、めちゃくちゃ可愛くないですか?」

『…っ、俺はこの子の方が可愛いと思うけど。』
手が離されて、頭を撫でられる。

「何言ってるんですか~笑 」
ドキッとした。でも受け止めちゃダメなんだって制御をかける。

「つ、次行きましょう!」
進行方向に向かって歩きだす。

『待って、、ほら。』
後ろから来た先輩は私の隣を歩きだすと、指を絡める。
離れることなく、でも私のペースに合わせてくれる勝利先輩。好きが増していく。

先輩の方をちらっと見れば、いつ見てもきれいな横顔。
『そんなに見つめてどうしたの?』

「そんな見てました?」

『うん。笑 結構見たね。』
時計を確認すればかなりいい時間。

「ですね、そろそろ帰ります?」

『そうだね、、ねぇ、○○ ちゃん。』

「何ですか?」

『今日、付き合ってくれてありがとう。』

「こちらこそ、たのしかったです。」

『今から言うこと、驚かないでね。』
私をじっと見つめ、髪に指を通す。

『好き。○○ ちゃんの事が好きなんだ。』

「っ、、」

『困らせてごめんね。俺が言っときたかっただけだから。帰ろう。』
背を向けて歩き始める先輩に声をかける。

「勝利先輩!!」

『ちょっと、○○ ちゃん。』
抱きついた私を剥がそうとする。

「私も勝利先輩のことが好きです。」

『離れ、て…って、え??』

「今日、大学内で会えたとき嬉しくて、一緒に授業も受けれて…それに、電車も、水族館でも…」

『ドキドキしてた?』

「…しないわけないじゃないですか。」

『彼女になってください。』
返事をする代わりにぎゅっと抱き締めて顔を先輩の胸に寄せる。

『そういうところ。可愛くて仕方ないんだから。』




… to be continued Christmas Story