チョコより君【微裏】

【Request】Valentine Story

・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・

バレンタイン、一般的にチョコレートを渡す日。

『当日はお休み取れたから、○○ 、デートしようね。』
って、わざわざお休みをとってくれた彼。

けど、今、私の隣に彼はいない。




朝、いつものように二人で起きてきて、準備を始めようとしたときに彼のスマホが鳴った。

『○○ 、ごめん!仕事でミスが起きたらしくて、』

「うん、わかった、いってらっしゃい。」
軽く伝えられた電話の内容から、彼が仕事に行くことを理解した。

『ごめん、ほんとに。終わったらすぐ帰る。』
スーツをしっかり着こなして、玄関に向かっていく。後を追う様について行って、お見送りをする。

『○○ ??』

「ん??」
顔を上げると、ちゅっと唇が重なった。

『ふふ、いってきます。』


忙しなく準備をして彼が家を出てから、何時間経ったんだろう。

「勝利くんまだかな。」

一人ボソッと呟く。テレビでは、バレンタイン特集だなんてしてる。

気がつけば、眠りに落ちいていて目が覚めると、彼がいつも着ているパーカーが掛けられてた。

「んー、」

『あっ、○○ 。よく眠ってたね。おはよう。』

「んん?あれ、寝ちゃってた。勝利くん、お帰りなさい。、」

『ふふ、ただいま。おっと、』
彼を見た瞬間にハグしたくなって、抱きついた。

『どしたの?寂しかった??』

「…うん。」

『落ち込んでたもんね。俺が家出るとき、強がってたんでしょ、』
苦しいくらいに抱き締められれば、耳元でささやく彼。

『待たせてごめん。』

「んーん。お疲れさま。」

『ねぇ、○○ 。今日は何月何日?』

「今日??2月14日」

『じゃー、なんの日?』

「バレンタインデー、?」

『チョコレートないの?俺に、』
ひょいっとお姫様だっこすると、ソファーに向かう彼。

「…チョコ、もらったでしょ?職場のきれいなお姉さんに。」

『全部断ったし、』

「え、?」

『チョコは?ないの??』

「勝利くんチョコたくさんもらうと思って、マフラーにしたの、」

『まって、、○○ 。好き。大好き。』

「勝利くん、いつも寒そうに家出ていくから、マフラーしないのかなって、」

『はぁぁ、』
私の肩に顔を乗せて項垂れてる彼。

「チョコレートじゃなくてごめんね。」

『むしろ、チョコは食べるとなくなっちゃうから、』

「ふふ、いつもお仕事お疲れさま。それと、いつも私の側にいてくれてありがとう。」

『ねぇ、チューしていい??』
伸びかけた前髪から、上目遣いで見詰められる。

「…んんっ、」

『拒否権ないけど、ちょっと待ってね?』
キッチンの方にいくと、一口サイズのチョコレートを1つだけ持ってきた。

「1つしかないじゃん、もっとあるのになんで? 取ってく、」
立ち上がろうとするも、腕を引っ張られる。

『こうすればひとつで足りる、』
彼は自分の口にチョコレートを入れると、そのまま強引にキスをした。

「んんぁ、」

『…ん、っ あまっ、』
口内の温度で溶けたチョコ、酸素を求めようとすれば隙間から舌を入れ絡められた。

「…勝利くんのバカ!!」

『ふふ。ご馳走さま。』

「勝利くん。嫌い。」

『大好きの間違いでしょ?最高のバレンタインをありがとう。○○ 、好きだよ。』

「、、」

バレンタインだからチョコレート。
手作りもあり、買うのもあり、結局は思いが込もってるならなんでもあり。
だって君との時間はチョコより甘い。


今年のバレンタインは、赤いマフラー。
来年は、、やっぱり手作りチョコかな、、


次のバレンタインも君と迎えられますように。


___ホワイトデーさ、、いや。なんもないわ。