チョコより君【微裏】
【Request】Valentine Story
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バレンタイン、一般的にチョコレートを渡す日。
『当日はお休み取れたから、○○ 、デートしようね。』
って、わざわざお休みをとってくれた彼。
けど、今、私の隣に彼はいない。
朝、いつものように二人で起きてきて、準備を始めようとしたときに彼のスマホが鳴った。
『○○ 、ごめん!仕事でミスが起きたらしくて、』
「うん、わかった、いってらっしゃい。」
軽く伝えられた電話の内容から、彼が仕事に行くことを理解した。
『ごめん、ほんとに。終わったらすぐ帰る。』
スーツをしっかり着こなして、玄関に向かっていく。後を追う様について行って、お見送りをする。
『○○ ??』
「ん??」
顔を上げると、ちゅっと唇が重なった。
『ふふ、いってきます。』
忙しなく準備をして彼が家を出てから、何時間経ったんだろう。
「勝利くんまだかな。」
一人ボソッと呟く。テレビでは、バレンタイン特集だなんてしてる。
気がつけば、眠りに落ちいていて目が覚めると、彼がいつも着ているパーカーが掛けられてた。
「んー、」
『あっ、○○ 。よく眠ってたね。おはよう。』
「んん?あれ、寝ちゃってた。勝利くん、お帰りなさい。、」
『ふふ、ただいま。おっと、』
彼を見た瞬間にハグしたくなって、抱きついた。
『どしたの?寂しかった??』
「…うん。」
『落ち込んでたもんね。俺が家出るとき、強がってたんでしょ、』
苦しいくらいに抱き締められれば、耳元でささやく彼。
『待たせてごめん。』
「んーん。お疲れさま。」
『ねぇ、○○ 。今日は何月何日?』
「今日??2月14日」
『じゃー、なんの日?』
「バレンタインデー、?」
『チョコレートないの?俺に、』
ひょいっとお姫様だっこすると、ソファーに向かう彼。
「…チョコ、もらったでしょ?職場のきれいなお姉さんに。」
『全部断ったし、』
「え、?」
『チョコは?ないの??』
「勝利くんチョコたくさんもらうと思って、マフラーにしたの、」
『まって、、○○ 。好き。大好き。』
「勝利くん、いつも寒そうに家出ていくから、マフラーしないのかなって、」
『はぁぁ、』
私の肩に顔を乗せて項垂れてる彼。
「チョコレートじゃなくてごめんね。」
『むしろ、チョコは食べるとなくなっちゃうから、』
「ふふ、いつもお仕事お疲れさま。それと、いつも私の側にいてくれてありがとう。」
『ねぇ、チューしていい??』
伸びかけた前髪から、上目遣いで見詰められる。
「…んんっ、」
『拒否権ないけど、ちょっと待ってね?』
キッチンの方にいくと、一口サイズのチョコレートを1つだけ持ってきた。
「1つしかないじゃん、もっとあるのになんで? 取ってく、」
立ち上がろうとするも、腕を引っ張られる。
『こうすればひとつで足りる、』
彼は自分の口にチョコレートを入れると、そのまま強引にキスをした。
「んんぁ、」
『…ん、っ あまっ、』
口内の温度で溶けたチョコ、酸素を求めようとすれば隙間から舌を入れ絡められた。
「…勝利くんのバカ!!」
『ふふ。ご馳走さま。』
「勝利くん。嫌い。」
『大好きの間違いでしょ?最高のバレンタインをありがとう。○○ 、好きだよ。』
「、、」
バレンタインだからチョコレート。
手作りもあり、買うのもあり、結局は思いが込もってるならなんでもあり。
だって君との時間はチョコより甘い。
今年のバレンタインは、赤いマフラー。
来年は、、やっぱり手作りチョコかな、、
次のバレンタインも君と迎えられますように。
___ホワイトデーさ、、いや。なんもないわ。