友達以上になる方法

優しくて意地悪なしょーり君

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『なぁ、○○。』

「ん?」
帰りの準備をしていると、紙パックのイチゴミルク片手に声を掛けてきたこの人は、クラスでどちらかと言えば仲のいい男友達。
私は好きだけど、なんとも思われてないのは目に見えてて、今の関係以上は求めないって決めた。

『この後、暇?暇ならさ、ある人にプレゼント選びたいからついて来てくんない?』

「いいけど、、なに、ある人って。笑」
笑ってツッコむけど、一気にテンションが下がった。

『やった、ありがとね。スタバの新作か何か奢る』


二人で街に出ればクリスマス一色。
街路樹には電飾がついてて、ショーウィンドーはクリスマスツリー。
「クリスマスかぁ。」

『○○、一人なんでしょ笑』

「そーですけど?文句ある?そんな勝利さんは?」

『ん?別にないけど。俺?俺はね、誘いたい子が居るからなぁ。』

「ふーん。あ!今日のプレゼントもその子に?」

『そんなとこ。』

「なら私選んだらダメじゃん、」

『女の子の好みわかんないもん。参考にするだけだから。』
紺色のマフラーを巻いて、ブレーザーに手を入れてる彼の横顔はかっこよくて、そんな彼からプレゼントもらえる子が羨ましく思った。

「何あげようとしてたの?」

『んー。アクセサリーかなぁ。それか、ハンカチ?』

「ふーん。あの店とかいいかも、」
私はそのお店を指差して言った。

『行こ、、』
お店に入れば、可愛いアクセサリーたち。
自分にもご褒美に買おうかなだなんて思った。


「これ、可愛い…」

『ん??そーゆの女の子好きなんだ、、』
私の手には冬らしいもふもふのついたイヤリング。

「冬だからいい、、ん」
説明しようと横を見れば、思ったより近くに勝利の顔があった。

『へっ、あ、ごめん。』

「いや、だい、じょぶ」
その後も何個か見て、勝利は決めたらしくてレジに向かった。


『良いの買えたわ。ありがと。よし、スタバ行こ。』

「よかったね!いいよ、、役に立てたならそれでいいよ。」

『ねぇ、俺がここまでしてるの珍しいと思わないの?ほら、行くよ。』
手を引っ張られて、小走りになる。

『何がいい?ここは、やっぱりクリスマスのやつ?』

「ねぇ、ほんとにいいって、、」

『はぁぁぁ。もう分かった。』
パパっと店員さんに注文する勝利。
少し怒らせちゃった気がする。
申し訳なくて俯いて待っていると声を掛けられる。

『…○○。』
彼の手には紙袋。

「…帰ろっか。」
私は彼を呆れさせてばっかりだ。
肩を並べて歩けば沈黙が続く。
彼が持ってる紙袋からフラペチーノは出てこなくて疑問に思う。

「勝利。飲まないの?」

『…はい。』
紙袋ごと素っ気なく渡されて、早く飲めって目で訴えてくる。ここまでなると飲まない方が失礼な気がして一口飲む。

「…美味しい、」

『ふふ。俺もちょーだい。』
答える間もなく彼はストローに口をつける。

『ほんとだ、美味しい。俺も買えば良かった。』

「…なら、勝利が飲みなって。」

『あー、もうお礼なの!お前が飲め!』

「…ありがとう。勝利。」

『ねー、○○はさ好きな人居ないの?』
突然問いかけられて、言葉がでない。
好きな人に好きな人を聞かれるだなんて思ってなかったから。

「…いる。そういう勝利の好きな人誰なの?」

『居るん、だ。どんなやつ?』

「あ、はぐらかした!!かっこよくて、少し意地悪だけどいい人。私答えたんだから」

『そーなんだ。俺の好きな人ね、、』
私の前に立って、真剣な顔をする彼。

「そう。好きな人、」

『俺の好きな人?お前だよ?』

「…えっ。」

『だから、○○のことが好きだよ。付き合お?』
頬が濡れる感じがした。

「嘘でしょ、、私も、好きです。」

『…知ってるし、そんなの。』
ふわっと彼の甘い香りに包まれた。

『だから、クリスマス。俺と一緒に居る予定…作ってよ。』

「うん。」

『…それと同時にもう渡すものもバレちゃってるけど、、笑』

「ん??」

『分かんないならいいよ。家まで送る。』
指を絡めて、帰るいつもの道。
たったこれだけで見える景色が変わった。

「勝利、大好きだよ。」

『なんなの、急に。』

「言いたくなっただけ。」

『あっ、そう。まぁ、俺も好きだよ。』



その後クリスマスに渡されたもの、それは私が始めに可愛いと言っていたイヤリングだった。