友達以上になる方法
優しくて意地悪なしょーり君
・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・
『なぁ、○○。』
「ん?」
帰りの準備をしていると、紙パックのイチゴミルク片手に声を掛けてきたこの人は、クラスでどちらかと言えば仲のいい男友達。
私は好きだけど、なんとも思われてないのは目に見えてて、今の関係以上は求めないって決めた。
『この後、暇?暇ならさ、ある人にプレゼント選びたいからついて来てくんない?』
「いいけど、、なに、ある人って。笑」
笑ってツッコむけど、一気にテンションが下がった。
『やった、ありがとね。スタバの新作か何か奢る』
二人で街に出ればクリスマス一色。
街路樹には電飾がついてて、ショーウィンドーはクリスマスツリー。
「クリスマスかぁ。」
『○○、一人なんでしょ笑』
「そーですけど?文句ある?そんな勝利さんは?」
『ん?別にないけど。俺?俺はね、誘いたい子が居るからなぁ。』
「ふーん。あ!今日のプレゼントもその子に?」
『そんなとこ。』
「なら私選んだらダメじゃん、」
『女の子の好みわかんないもん。参考にするだけだから。』
紺色のマフラーを巻いて、ブレーザーに手を入れてる彼の横顔はかっこよくて、そんな彼からプレゼントもらえる子が羨ましく思った。
「何あげようとしてたの?」
『んー。アクセサリーかなぁ。それか、ハンカチ?』
「ふーん。あの店とかいいかも、」
私はそのお店を指差して言った。
『行こ、、』
お店に入れば、可愛いアクセサリーたち。
自分にもご褒美に買おうかなだなんて思った。
「これ、可愛い…」
『ん??そーゆの女の子好きなんだ、、』
私の手には冬らしいもふもふのついたイヤリング。
「冬だからいい、、ん」
説明しようと横を見れば、思ったより近くに勝利の顔があった。
『へっ、あ、ごめん。』
「いや、だい、じょぶ」
その後も何個か見て、勝利は決めたらしくてレジに向かった。
『良いの買えたわ。ありがと。よし、スタバ行こ。』
「よかったね!いいよ、、役に立てたならそれでいいよ。」
『ねぇ、俺がここまでしてるの珍しいと思わないの?ほら、行くよ。』
手を引っ張られて、小走りになる。
『何がいい?ここは、やっぱりクリスマスのやつ?』
「ねぇ、ほんとにいいって、、」
『はぁぁぁ。もう分かった。』
パパっと店員さんに注文する勝利。
少し怒らせちゃった気がする。
申し訳なくて俯いて待っていると声を掛けられる。
『…○○。』
彼の手には紙袋。
「…帰ろっか。」
私は彼を呆れさせてばっかりだ。
肩を並べて歩けば沈黙が続く。
彼が持ってる紙袋からフラペチーノは出てこなくて疑問に思う。
「勝利。飲まないの?」
『…はい。』
紙袋ごと素っ気なく渡されて、早く飲めって目で訴えてくる。ここまでなると飲まない方が失礼な気がして一口飲む。
「…美味しい、」
『ふふ。俺もちょーだい。』
答える間もなく彼はストローに口をつける。
『ほんとだ、美味しい。俺も買えば良かった。』
「…なら、勝利が飲みなって。」
『あー、もうお礼なの!お前が飲め!』
「…ありがとう。勝利。」
『ねー、○○はさ好きな人居ないの?』
突然問いかけられて、言葉がでない。
好きな人に好きな人を聞かれるだなんて思ってなかったから。
「…いる。そういう勝利の好きな人誰なの?」
『居るん、だ。どんなやつ?』
「あ、はぐらかした!!かっこよくて、少し意地悪だけどいい人。私答えたんだから」
『そーなんだ。俺の好きな人ね、、』
私の前に立って、真剣な顔をする彼。
「そう。好きな人、」
『俺の好きな人?お前だよ?』
「…えっ。」
『だから、○○のことが好きだよ。付き合お?』
頬が濡れる感じがした。
「嘘でしょ、、私も、好きです。」
『…知ってるし、そんなの。』
ふわっと彼の甘い香りに包まれた。
『だから、クリスマス。俺と一緒に居る予定…作ってよ。』
「うん。」
『…それと同時にもう渡すものもバレちゃってるけど、、笑』
「ん??」
『分かんないならいいよ。家まで送る。』
指を絡めて、帰るいつもの道。
たったこれだけで見える景色が変わった。
「勝利、大好きだよ。」
『なんなの、急に。』
「言いたくなっただけ。」
『あっ、そう。まぁ、俺も好きだよ。』
その後クリスマスに渡されたもの、それは私が始めに可愛いと言っていたイヤリングだった。